NOVEL
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2024-08-15 16:32:57
47話:静かに変わりゆくこと
掃除という言葉は実に曖昧である。だけれど同時に、とても便利な言葉であると個人的には感じていた。ボクと初めて会ったあの状況で突然掃除と言われたとある彼女はさぞ不思議な感情に苛まれたことだろうけど、これ
2024-08-15 16:32:01
46話:全ての想いを口には出来ない
ロビーに戻る時の足取りは、きっと周りが思っているより重くはなかった。僕の歩く速度より橋下さんらのほうが歩くスピードが速いから自然とそうなっているだけなのだが、これがもし一人だったらぐずぐずしていたに
2024-08-15 16:31:04
45話:誰もがきっと、我が儘だ
「本当に、会わないんですか……?」 「……会わないよ」 神崎さんの言葉はそればかりで、どうやら本当に橋下さんと会う気がないというのが伺えた。そうだというならこれ以上僕が何かを言うのはどうかと思うの
2024-08-15 16:29:04
44話:ニセモノはいない
――オレ以外の人物がここに来るという事実を知ったのは、恐らくオレがここに来てから数日後のことだった。 「神崎 拓真という人物を、知っているね?」 その時はたまたま受付とソファに居たこともあり、
2024-08-15 16:28:11
43話:ニセモノは後悔を知らない
人の死というのは存外あっけないものであるというのは知ってはいたが、いざ自分がその立場になってみて驚いたのは、死んだ後も意識は僅かに残されていたということだ。 金縛りという表現が一番近いだろうか?
2024-08-15 16:26:58
42話:ニセモノの掌握
「相谷に色々と聞いた」 神崎先輩は、オレに会って早々そんなことを言った。夏休みが明けてすぐ、なんの説明も無くそんなことを言うもんだから最初は何を言っているのか分からなかったが、そういえば先輩は相谷
2024-08-15 16:26:04
41話:ニセモノは許しを請わない
恐らく、この時のオレは息をすることも忘れていたのだろう。そう思うくらいには、現実は悲惨なものだった。 「本当に祥吾……?」 こんなことを聞いてしまうくらいには、目の前に居る人物が本当に祥吾であ
2024-08-15 16:10:21
40話:ニセモノの裂傷
柳 祥吾という男が亡くなったのは、それから数年が経った頃である。交通事故だった。その知らせがオレに届いたのは、そろそろ本格的に高校受験を考えないといけない春の日だった。 小学生の頃は夏休みか冬休み
2024-08-15 16:09:19
39話:ニセモノに謳う
今日は朝からいつにも増して寒いと思っていたが、まさか雪が降るまで冷え込むなんて思ってはいなかった。朝の天気予報では「雪は降るが積もらない」と言っていたのに、今は子供の足首が隠れるくらいにまで積み重な
2024-08-15 16:07:05
38話:ニセモノの遊戯(回想)
子供の頃の夏の記憶というのは、比較的楽しい記憶で塗り固められている。一応、オレだってそのうちの一人だ。 父が死んでから数か月経った頃の話だ。父が居なくなったことにより、生活自体はこれまでとは比べ物
2024-08-15 16:05:41
37話:ニセモノの詭弁
じめりと身体に纏わり付くような空気に、オレはすっかりと気をやられてしまっていた。朝は起きたくないしバイトは面倒だし(この二つに関しては別に雨に限ったことではないが)、傘は荷物になるし差すのも嫌になる
2024-08-15 16:04:32
36話:ニセモノは口を割らない
視線が怖い。そう相谷くんに言われてしまうほど、どうやらオレは相谷くんのことをじっと見つめてしまっていたらしい。おまけに、宇栄原先輩にも小言を言われてしまう始末だった(何を言われたかは余り覚えていない
2024-08-15 16:03:39
35話:ニセモノの危惧
相谷光希という人物は、想像通りと言ったら良いのか自分の話を余りしない人だった。オレのことはさも当然かのように信用していないようだったし、恐らくオレの話なんてまともに聞いていなかっただろう。最も、別に
2024-08-15 16:02:21
34話:ニセモノとヒミツ
「朝はやっぱりまだ寒いよなぁ……」 世間一般的には春に分類されている四月の早朝は、まだ春と呼ぶには相応しくない気温だった。いくら日中に寒いからといって、寒冷地域でもないのに四月にマフラーをしていた
2024-08-15 16:01:15
33話:ニセモノの行動理由
――幽霊よりももっと格が上で、でも悪霊とかいうのとはまた別のもの。オレらでは手に負えないような、いわゆる怨霊・悪霊という存在を、無条件でとある場所に送り出すためだけに存在していて、それ以外の行動は禁
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