NOVEL
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2024-08-14 21:46:06
09話:白い訪問者
これは、ロデオから聞いた話……というには、少々脚色しすぎているかも知れない。あくまでもロデオの話を聞いて僕なりに解釈をしたというだけであり、変な話ただの想像の産物である。 ロデオがことを起こしたの
2024-08-14 21:45:11
08話:消えない月の話
「あいつ、随分と眠そうだな……」 その言葉の矛先にいるルシアンという人物は、受付の奥底で座りながらも眠っていた。屍のようにとでも言ったら良いのだろうか、理由は分からないが疲れ果てているようで、誰が
2024-08-14 21:43:58
07話:嘘の剥奪
「妖精の好きな食べ物?」 カウンター越し、頬杖をつきながら言葉を返す店の店主は、僅かに視線を逸らして思考を巡らせはじめた。 「グランさんは知ってます?」 「いいや? 会ったこともない存在の好きな
2024-08-14 21:42:14
06話:有限は虚空に映る
朝方の少し冷たい空気は、俺を支配している眠気を相殺するにはまだ少し物足りない。この時間に起きているだなんて珍しい、などと各方面から声が聞こえてきそうだが、それでも体を動かさないといけない理由があった
2024-08-14 20:09:23
05話:訪問者の憂い
微睡む意識の中、遠くから誰かが俺のことを呼んでいる。そんな気がした。 「……んんー?」 これは、眠気に負けていつものように机に突っ伏している時の出来事である。 何かが机にのし掛かるような音が
2024-08-14 20:07:35
04話:幻影畑
眩しかった視界。無意識のうちに目を瞑って、かつ咄嗟に腕で遮っていたようだったけど、その動作が次第と不要になっていくのがよく分かった。 僕は、意を決して目の前を邪魔しているそれら全ての行為を止める。
2024-08-14 20:05:20
03話:記憶媒体
無機質な扉をノックする音が、大きな廊下に控えめに響く。それは、目的の人物の耳に入ることは無かった。 「……リベリオ様?」 いつものことではあるけれど、この家の主の声が一向に返ってこない。大方、
2024-08-14 16:07:52
02話:聞こえた音とキミの声
今日の天気は、少し雲が流れているものの出掛けには十分すぎるくらいに太陽がよく見える。そんな空の下、休館で人がいない図書館の出入り口の前でひとり待ちぼうけているのはなんと滑稽だろう。 俺が待ち合わせ
2024-08-14 15:55:53
01話:名前のない本
さらりと流れる風が、どうしてか酷く心地いい。 もし、このまま静かに眠りにつけるのなら、きっと今までのことなんて全て忘れて、何もかもを終わらせることが出来るんじゃないか。なんて無意味な想像を何度もし
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