NOVEL
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2024-08-14 22:59:06
04話:記憶の壁
――瞼が重い。 「……ん」 一体いつの間に寝入ってしまったのか、ゆっくりと目を開けると目の前には浅い緑色が広がっていた。中途半端に眠ったせいか、頭に警告音が鳴り響いているかのように脈打つのを感
2024-08-14 22:58:09
03話:ヒミツが好きだと嘯いた
「……嘘つくなら、もう少しマシな嘘ついたら?」 掴まれた反動なのか、イヤホンが片方の耳から知らない間に外れていた。どうしてか何処か混沌としていた意識は、目の前にいる彼と風の音によって、少し、また少
2024-08-14 22:56:57
02話:噓の色
誰かが扉をノックする音が、僕のいる部屋に静かに響き渡る。かと思えば、扉は僕の返事を待たずに無造作に開かれた。 「あ、いたいた。今着いたんだって? ……って、部屋こんな色してるんだね」 そう口に
2024-08-14 22:37:47
01話:ホワイト
世界はきっと、沢山の色に溢れている。目に映るモノ以上に蔓延るそれらは、恐らく認識されることを望んでいるから色づいているはずなのに、人間の能力の限界によって把握できない色は山のようにあるのだろう。
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